こんにちは。
ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。
当ショップでは、小さなサイズの和紙をメインで販売していました。
しかし最近お問い合わせいただくのは少し大きめのサイズの要望が多かったので、
大きいサイズも作れるため道具(簀桁すげた)を注文しました。
作る和紙によっては道具を変える必要があるので、2種類用意しました。
まずは、どんな道具でどんな和紙を作るものかをご紹介します。
A3ノビサイズは、約W490×H320mmです。
竹を細くして簀にした道具を使用します。
流し漉きとは、薄い和紙を作る際に用いる漉き方の一つです。
テレビなどで紹介されている和紙作りではこの漉き方を紹介されています。
ちょっと原料が少なくてちょっとムラが生じてしまいました…。
あと、この取っ手が慣れなくて、最終的には端を持って漉いていました。
ちょっとサイズが大きくなると感覚が変わるので慣れが必要です。
写真では、ほとんど漉けていないように見えますがきちんと和紙の原料は簀に乗っています。
水中では透明に見えても乾燥させるとしっかり和紙が出来上がっています。
当ショップで販売する一番大きなサイズになります。
次は、厚い和紙を作るための道具になります。
ステンレス網で作った道具です。
こちらは、半紙サイズ(B4サイズと同等)とA3サイズを用意しました。
溜め漉(す)きとは、原料をすくって揺らしながら均一にしていく漉き方の一つです。
竹でできた簀でも葉書位の厚みならば問題ないのですが、それ以上の厚みになると重さに耐えられなくなるのでこのメッシュ網を使用します。
まずは半紙サイズから試します。
実は、台東区蔵前にある寄木細工の職人さんに作って頂きました。
初めて作って頂くので、何度か修正をお願いしてようやく完成しました。
さきほどの流し漉きの状態とは違って、たっぷり原料が簀の上にのっていますね。
この道具も細部にいろいろ工夫されていてとても使い勝手が良いです。
こだわって発注してよかったです(;^_^A
また、新品なので木の香りがして楽しいひと時となりました。
次はA3サイズの溜め漉(す)きです。
こちらは別のところから調達したものなので、構造がちがいます。
どれもバラバラなので、しっかり手で固定しないと綺麗に漉(す)けないので、気合が入ります。
ちょっとズレが生じてしまい、多少寄れてしまいましたが、なんとか漉くことはできました。
こちらは、本来廃棄してしまう原料の茶色の木皮をあえて入れて作りました。
これを「チリ(塵)入り和紙」と言います。
だいぶ厚みのある和紙ができました。
最近、風があって暖かいので1日で乾きます。
大きいサイズは、乾燥機に入らないので自然干しになります。
また、ショップ内ではスペースが狭いので外で漉(す)きます。
車通りが少ない休みの日にメインで作業するため、大量に注文される方は少々お時間頂きます。
また、通行人の方も和紙を作っているのをご存じの方は「めずらしい」と言われ、
何を作っているか分からない方は、怪訝そうなお顔で無言で通られます(;^_^A
まだまだ道具に慣れていなかったり、原料と水などの配合が定まらなかったりで少し安定していませんが、様々な用途でお問い合わせやご注文を頂けるように今後していきたいと思っています。
当分は、大きいサイズはショップ内だけで販売予定です。
興味がある方は、ご来店もしくはお問い合わせいただけますと幸いです。
無地だけでなく染めや野菜入りなどの加工和紙も充実させていく予定です。
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