こんにちは。
ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。
和紙作りは冬仕事と言われています。
原料の収穫や下準備などは気温が低い季節に済ませておくことが多いからです。
ただし、原料を栽培していると季節それぞれに作業があります。
春の時期は芽吹きの季節です。
どんな作業をしているかをご紹介します。
楮だけでなく植物は春は芽吹きの季節です。
冬場に刈り取った株からまた新たな芽が出てきます。
同時に雑草も生えてくるので余計な養分をとられないように草取りをしなければなりません。
成長はそれぞれでこちらはようやく新芽が出始めました。
和紙作りで刈り取るのは1年で伸びた枝(幹)です。
無事に成長して今年の冬(来年早々)に刈り取っていきます。
これからの成長が楽しみです。
(残念ながら1枚目の枝は鳥についばまれたのか取れてしまいました…。(´;ω;`)ウゥゥ
また芽吹くのを待つしかありません。)
こちらの株はすでにこんなに新芽が出て若葉がここまで成長しています。
ショップ近辺で栽培しているのはプランターです。
地植えならば、そのまま成長を見守れますが、プランター栽培だと土が限られています。
栄養の奪い合いになると幹自体が細いままの成長になってしまいます。
和紙作りに必要なのは幹が太く肉厚な木皮です。
よって、枝を間引いて太らせていく必要があるのです。
株の根本部分にもしっかり日光が入るようにすることも大事な役目です。
さらに成長したときに枝同士が邪魔になっていないかを見ながら成長を見守ります。
楮(こうぞ)にもいくつか種類があって、花や実がなる木もあります。
ちょうど今日咲いているいるのを見つけました。
これは楮(こうぞ)の花から実へ成長している最中です。
かなり不格好ですね…。
ここから赤くなってやがて種になり、土に落ちます。
これが昨年種から成長した若木です。
和紙作りに使えるのは3年以上成長したものです。
すくすく育っていますが、あと2年成長を見守っていきます。
だんだん、大きなプランターで移植していきますよ。
トロロアオイも和紙作りには外せない植物です。
春のこの時期に種まきをします。
直接土に植える人もいますが、うちでは水に漬けて新芽が出てから植えます。
昨年の中途半端な時期に植えたものはすでに新芽も若葉も出てつぼみも出てきました。
通常は夏の暑い時期に開花するので、だいぶ早いです。
トロロアオイはアブラムシがよくたかるので暑くなるこれからの季節は毎日手入れが必要です。
ショップの隣に鉢を置いているので近所の方々の目の保養になっているみたいです。
これから土に植えるものは花や実をつけさせないで根を優先に成長させていきます。
また、トロロアオイは野菜でもあります。
スーパーなどで販売されているオクラにとても似た実ができますし、花も食べることができます。
当ショップでは種も販売しているので、私もぜひ育ててみたいという方はお問い合わせください。(1房(約30粒)から販売しています)
和紙が何から作られているかご存じない方もたびたび見かけます。
だからこそショップ前で実際に原料の成長が見ていただけるように栽培を始めました。
コロナ過でなかなかショップに遊びに来ていただくことは難しいと思いますが、
記事を通していろんな人に原料や和紙作りの作業を知って頂ければと思います。
山の中でなくても下町の片隅でも和紙を栽培から行っていることを知っていただけると嬉しいです。
今後も途中経過をご紹介していきます。
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