こんにちは。
ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。
最近、テーマとなっている野菜入り和紙作り。
廃棄寸前の野菜を新たに和紙にして役目をはたしてもらおうと思い、
実験を繰り返しながら作っています。
いままでいくつかチャレンジしてきました。
ここで今までどんな野菜やフルーツを試したかをまとめたいと思います。
ポストカードや薄い和紙も販売しているので、ご興味あるかたは是非ショッピングサイトをご覧ください。
去年の7月から定期的にチャレンジしてきました。
きっかけは、新型コロナウィルスでした。
売れ行き商品ががらりと変わってしまったり、飲食店などの自粛休業などで野菜の廃棄量が増加したというニュースを目にしてから試作し始めました。
よって、使用している野菜はすべて見切り品の廃棄寸前の野菜です。
これはまずルールとなりました。
和紙にするにはまず繊維が強いものから始めることにしました。
その中で選んだのがアスパラガスでした。
廃棄寸前のものは水分がなくなってちょうど良い具合に繊維だけが残っているので和紙には合っていると思った次第です。
アスパラガス入りの和紙作りはこちらをご覧ください。
最初はどれくらい煮ればよいか、どうやって処理をすればよいのか全く見当がつかなかったので、見よう見まねで試してみました。
しっかり黄緑色のアスパラ繊維が残って無地和紙の中に混ざってくれました。
約半年経過しましたが、変色もなくそのままで残っています。
反省点としてはちょっと煮すぎと繊維を短く切った方が良かったです。
おかげさまで完売となりました。
次回また制作するかは、検討中です。
続いてキャベツにチャレンジ。
アスパラガスと同じくらい煮たら、繊維が粉々になってしまいました。
キャベツの原形は全く残っていないので、言われないと分からないかも。
しかし、文章やイラストを描くには目立たなくてよいかもしれません。
反省点は、もっと色が濃いキャベツの葉っぱを使用するのと煮る時間を考える必要がありました。
こちらはネットでも販売しております。
繊維が強い野菜といえば、ごぼうを思い出しチャレンジしました。
やはり長時間煮ても繊維がきちんと残っていました。
これを叩いて繊維を細かくして和紙を漉(す)いていきました。
一番、ごぼうっぽい雰囲気が残る和紙になりました。
偶然ごぼうのスタンプがあったので捺印してみました。
この素朴感がいいですね。
こちらは、残り1枚のため店頭のみで販売しています。
野菜だけでなく、フルーツ入りの和紙にもチャレンジしてみました。
最初はすだちでした。
繊維ではなく、皮に注目してさわやかな和紙を作りたかったのですが、1回目は見事に失敗…。
2回目も失敗し、3回目でようやく希望の和紙を作ることができました。
柑橘類なので、どうしても香りがする和紙を作りたかったのです。
完成して2か月くらい経ちますが、まだほのかに香っています。
是非、リラックスしてみませんか。
こちらもおかげさまで残り1枚となりましたので、店頭のみの販売となります。
香りの次は色にテーマをもっていきました。
そこで色が濃い青菜でチャレンジしました。
予想以上に緑色が残って1回目に漉いたものはあっという間に売り切れてしまいました。
2回目に漉いたものは少し緑色がうすいですが、それでも淡い緑色が残った和紙になりました。
なぜかお茶の香りがする和紙にもなりました。
薬品による色止めはしていないため、自然に色は退色していきます。
自然の変化を楽しんでいただければと思います。
香りはずっと保っていますよ。
色の濃い野菜シリーズは続きます。
次は茄子の皮でチャレンジです。
濃い紫を期待したのですが、全く色が出ませんでした。
しかし、皮の繊維が強く、違う意味で味わい深い和紙が完成しました。
色について、草木染の方法を参考にして作ることにしました。
そこで、ぶどうの皮は染色しやすいといくつかの資料に明記されていたので、さっそくチャレンジ。
布と和紙では勝手がちがうので、自分なりの考察も入れながら作ってみたら、染色した和紙が完成しました。
今後も色にこだわってチャレンジしたいと思っています。
また、フルーツ系は香りも長い時間ほんのりする和紙を作れるようになりたいと思っています。
手にした人が香りや色合いで心がほっこりして書くだけでなくコレクションしたくなるような和紙を目指していきます。
葉書だけでなく、何か作品作りをされたい方向けにA5サイズの薄い和紙もそろえています。
薄いので、包んだりちぎって絵を作るのも素敵ですね。
現在、ショップでの販売のみとなっているので徐々にネットショップにもあげていく予定です。
使い方などの紹介も今後していきたいと思っています。
まだまだチャレンジは続きます。
今後も温かみのある自然な色合いの和紙を作っていく予定です。
#papermaking #Washi #Vegetables #WashilaboTOKYO #handmade #Traditional