あれから約4か月、保護した三毛猫は激動の猫人生を送っていました。

こんにちは。

ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。

6月に三毛猫を保護したことをご紹介しました。

あれから約4か月、残念ながら元の飼い主さんからの情報はありませんでした。

ただ、その間いろんなことが起こりすぎて、激動な4か月だったなと改めて感じております。

さて、どんな4か月間だったのかを簡単にご紹介します。

また、現在この三毛猫はどうなったかも最後にお伝えします。


保護した直後の詳細は、こちらをご覧ください。

 

~突然の発情期~

保護してから約一か月経過したときに、突然唸るような鳴き声をし始めました。

しかも、かまって攻撃が一日中止まらない状態…。

全くこの間は仕事が集中できず手につきませんでした。

獣医の先生に症状と伝えたら「それは完璧に発情期」と宣告…。

傷らしきものがあったからすっかり避妊手術が終わったもんだと思い込んでいました。

そして、一番やっかいだったのがスプレー行為と脱走でした。

ショップの角という角を狙ってスプレーしてしまうので、目を離す余裕がありませんでした。

しかも、ショップなのでお客様などの出入りの際を狙って外に出ようとするので、ハーネスが外せなくなりました。

このころは、毎日のように怒ってイライラしっぱなしでした。

一週間経過して、ようやく手術できると思って獣医に連絡すると

「発情期が終わっても子宮がまだもろい状態だから約2週間後じゃないと手術は無理」と言われてしまいました。

しかも手術費のことも考えると頭を悩ますことばかり。

台東区では保護した猫の避妊手術費用の助成金があるのですが、偶数月にしか申請ができないと言われ、次回の申請日が8月初旬とのこと。

うわ~、また発情期がきてしまう…。

頭を悩ますことばかりの連続でした。

 

~避妊手術だけではすまなかった~

ようやく2週間経過したので、さっそく手術の予約をとったのですが、

なんと、獣医の先生がコロナ感染…。

延期になるかも…と不安でしたが、無事完治されて予定通り手術することができました。

翌日の朝には退院の予定です。

ほっと一安心したのもつかの間、先生からすぐに電話が。

子宮に膿がたまる「子宮蓄膿症」にかかっていて、これが広範囲でみられるので、手術時間、入院期間、そして手術代もその分上乗せされるとのこと…。

大変な手術となってしまいました。

約3時間の長丁場となり、無事に手術は成功。

もう少し発見が遅かったら命に関わっていたかもと言われ、この猫は運を持っているなと改めて実感させられました。

ようやく退院となっても傷口が大きいため、エリザベスカラーを付けることになったのですが、用意したものが緩かったので人間用のサポーターを付けて過ごしていました。

ただ、ズルズル下がってしまうのでそれを引き上げたりしていたら傷口がうんでしまって、最終的に病院でレンタルしたカラーを付ける羽目に…。

ごめんよ~~~。

(結局、助成金は申請せずに自腹で支払いました…。やはり待てなかった…)

 

~すぐに決まったトライアル~

実は、元の飼い主さんが見つからなければ他の家への譲渡を考えていました。

一つは、ショップ及び住居スペースはペット飼育が禁止となっていたからです。

そして、もう一つはこの猫さんには家族が必要と考えました。

とても人懐っこく愛嬌のある猫なので、家族が多いご家庭がよいと。

人間だけでなく先住猫がいらっしゃるご家庭も猫同士のつながりもできてこの猫にとっても幸せになると考えていたからです。

いくつかの保護猫団体さまに保護した状態から相談をさせて頂いていたのですが、成猫の譲渡はなかなか狭き門なので早めに募集をかけたほうがよいと言われていました。

なので、一か月経過した時点で新しい飼い主さんを募集スタートしました。

すぐにご夫婦が検討したいとお声をかけて頂き、決まりかけたのですが残念ながら「ピンとこない」と言われて破談に。

それからも何人も候補となる方が名乗り出て頂いたのですが、お一人で暮らしていらしたり、ペット不可のマンションだったりでなかなかベストとなる方に決められませんでした。

そんな中、一軒家でご家族と暮らしていて先住猫もいらっしゃる方が名乗り出て頂き、猫に対して愛情深い方と感じられたので、避妊手術を済ませた8月にトライアルにだすことを決定しました。

最後の2ショットで写真をパチリ!

素っ頓狂な顔に吹き出してしまいました。

 

~残念ながら譲渡とはいかず~

トライアルは約2週間とさせていただき、様子を見させていただきました。

最初は慣れない環境で三毛猫も反発していましたが、徐々に人間のご家族には素直になってきたようです。

ただ、先住猫とはうまくいかず対面直後に喧嘩をしてしまったそうです。

そのあとも先住猫(おじいしゃん猫兄弟)の方がおびえてしまって、目を合わせたり対面がなかなか難しく、期間を延長して状況も見守りましたが、結局また喧嘩をしてしまいました。

先住猫のストレス軽減を第一優先として相談させて頂き、トライアルを中止して戻すことにしました。

私自身もいろんな方にこの件で相談させて頂いたところ、この三毛猫は猫同士よりも人間との方が相性がよいのではとご意見を頂きました。

トライアル先のご家族には、愛情やいろんなご配慮をいただき本当に感謝しております。

残念な結果になりましたが、よい想い出となってくれれば幸いです。

 

~トライアル期間中~

実は、トライアル期間中に私自身がペットロス状態になってしまいました。

初めての大人の猫の保護と発情期や手術後のお世話などが強烈な体験ばかりでした。

しかもトライアル先にうまくいっていないという話を聞いてしまって、気が気でない状態になってしまいました。

また、近所の方々に密かな三毛猫ファンが多く時間が経過しても「その後どうなったか?」という問合せも届いていました。

いろんな人から愛されていたんだなと実感させられました。

この三毛猫は魔性の猫ですね…。(;^_^A

 

~現在の状況~

10月に入って、三毛猫がこのショップに戻ってきました。

最初はとまどっていましたが、徐々に思い出してきたのかご飯もおしっこも無事に済ませることができました。

私のこともすぐに思い出して、そばでくつろぎ始めました。

沢山自分の匂いが残っていて安心したかもしれませんね。

そしてなんと、めっちゃ太って帰ってきました。(約1キロプラス)

沢山愛してくれたんですね~。

だけど獣医さんに診察してもらったらすぐにダイエット命令が下されました。

もとから膀胱炎を発症していたようなので、食事療法となります。

さて今後ですが、オーナーさんとも相談させて頂きここでずっとお世話させて頂くこととなりました。

名前は、「かみちゃん」と名付けました。

和紙屋の「紙」と福の神や招き猫の「神」の二つの意味をもつように、ひらがなにしました。

戻ってきて何人もご近所さんから顔を見にショップにいらして頂き喜んでくれました。

また、通行される方々もかみちゃんの存在に気づき、立ち止まったり写真を撮ったりしているのを見て、本当に看板猫になったなと実感しております。

 

~ワークショップで一緒にお相手~

トライアル前もそうしていたのですが、ワークショップ中もかみちゃんはショップにいます。

特にお子さんたちには大人気でした。

なかなか家でペットを飼えないお宅も多く、動物と触れ合えるワークショップはとても人気でした。

トライアル期間中も「猫は今どうしているんですか?」と質問を頂いていました。

お子さんだけでなく、大人の方にも喜んでいただければ嬉しいです。

もちろん、動物アレルギーや苦手な方がいらっしゃる際は、別室やゲージに移動させますので、事前にお知らせください。

現在、ダイエット中で写真のようにちゅ~るなどのおやつを上げられませんが、一緒に遊んだり、そっと撫でて頂ければ嬉しいです。

(かみちゃんのご機嫌によっては触らないようにお願いする場合もある旨あらかじめご了承ください)

 

ショップだけでなく、この「かみちゃん」も末永く愛していただけましたらうれしいです。

 

ショップの場所はこちらをご覧ください。

thewashi.tokyo

このかみちゃんは、水引で遊びますよ。

(前は和紙の原料で遊んでいたのですが、今は見向きもせず…)