こんにちは。
東京和紙の篠田です。
春先から初夏にかけて植物は新緑や開花がシーズンです。
和紙の原料の木々や製造に大事な植物も同様です。
今年の成長具合をご紹介します。
そして、東京和紙では食すプロジェクトもやっております。
いろんなお料理も併せてお楽しみください。
***************************
トロロアオイ開花
黄色い大きな花びらが特徴のトロロアオイ。
和紙を作るのにとっても大事な植物です。
根っこをメインに使うので、本来は花は咲かせずに土の下に栄養がいくようにします。
ただ、今後にむけて種を作らなければならないので一部は花を咲かせます。
これは、3年めのトロロアオイなので開花の時期が早いです。
(ちょうど今が種まきシーズンで開花は9月頃です)
トロロアオイって野菜なのをご存知ですか?
別名「花オクラ」と言います。
八百屋でよくみかけるオクラと同じような実もなります。
ちょっと丸みがある形ですね。
そして、花びらも食べることができるんです。
残念ながら1日でしぼんでしまうので時間との勝負でもあります。
まずは花びらをドレッシングで和えてサラダにしてみました。
オクラ同様に実も花びらも少しトロミがあるのが特徴です。
また、酢に漬けると花芯の赤い部分が色濃くでますよ。
私がよく作るのは花びら寿司です。
サッとゆでると花びらの黄色が色濃くでて鮮やかになって更に食欲をそそります。
また、シャキシャキした食感がGood!
苦味なども一切ないのでお子さんでも美味しく食べれます。
楮の若葉誕生
楮(こうぞ)は和紙の原料です。
寒い時期に枝や幹を刈り取って株の状態から今の時期だとこんなにも成長します。
青々しい若葉がどんどん出てきています。
和紙に必要なのは、木の皮です。
大きく厚みのある木皮になるように成長させます。
また、作業がスムーズにいくように1本のまっすぐな幹や枝にするため、
今の時期は、脇芽や成長がよくない枝をカットしていきます。
本来は、廃棄してしまうのですが東京和紙はこの部分も再利用します。
実は、楮も食すことができるのです。
農業全書にも
「楮は多くの効能あり。四木(茶、楮、漆、桑)の内で桑に次ぎてなくては叶わぬ物なり」と明記されています。
つまり、紙に漉かれ、日用の書状や記録など用途ははかり知れない。
葉は煎じて茶として飲用すれば諸病をなおし、若葉は菜として食用となり、古株を湿地にうめておけば食用茸が発生する。と別の書物には説明されています。
(有岡利幸著「和紙植物」より抜粋参照)
まさに、楮は捨てる部分がないのです。
なので、「和紙を食す」活動として、さまざまな料理をご紹介しています。
今回は、今時期しか食べれない若葉を中心とした料理です。
楮(こうぞ)の葉っぱのソースを作り、パンに塗ってチーズをのせてトーストにしました!
爽やかな若葉の香りとほんのりある苦味が絶妙です。
また、このソースは万能でごはんやお肉、パスタにかけてもおいしいです。
この時期でないと食べれない逸品です。
もう一つ今回、前々から作りたかったガパオライスを紹介します!
バジルの代わりに楮(こうぞ)の若葉を使用しました。
若葉は柔らかく香り高いので、合うだろうなと思ってチャレンジ!
結果はめっちゃおいしかったです。
肉やごはんと相性バッチリでとっても食べやすかったですよ。
また作りたいレパートリーの一つとなりました。
和紙と聞くと、書くもの作るものというイメージが高いと思います。
しかし、和紙の原料や製造過程を奥深く調べていくと無限の可能性を秘めています。
それをいろんな人に知って頂き、さらに和紙に興味を持って活用いただけるようにしていきたいと思います。
Youtubeにも動画で紹介しています。