こんにちは。
ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。
先日、久しぶりにテレビの撮影オファーがきました。
今回はちょっと変わった形での出演となりました。
残念ながら私の顔も東京和紙の名前もクレジットされません。
宣伝という意味では効果は見込めませんが、縁を感じネタの一つになるだろうと思って
引き受けました。
どんな風な撮影だったか、またどんなオファーだったかをご紹介します。
3月の上旬の午後にある電話が入ってきました。
相手はTBSテレビでした。
今月末に放送予定される特番のクイズ問題として和紙を漉いているところを撮影したいということでした。
どうやら東京和紙の動画をご覧になって連絡してきたようです。
おそらく見られたのはこの動画
本番まで2週間ない状態での電話でした。
前回テレビ出演させていただいたときもそうですが、いつも直前になっての問い合わせやオファーなんですよね…。
しかも、クイズのはずれの映像というのもずっこけて笑ってしまいました。
宣伝効果はまるでありませんし、和紙を知ってもらうというのも違う感じになりそうだなと思ったのですが、全国ネットは初めてだしネタの一つになりそうだと思って引き受けました。
ただ、まだ正式な決定ではないそうで、期待せずに連絡を待つことにしました。
それから約一週間なんの連絡も来なかったので、企画から外れたのかなと思っていた矢先にまた連絡がきて正式に撮影することが決まったそうです。
漉いているところのみでOKということだったので、そんなに準備もないので短時間で終わるだろうと思って先方の希望の日程で引き受けました。
実際は全く違いましたがね…。
放送予定の一週間前に撮影となりました。
和紙を漉くシーンでよいということだったので、いつものスタイルで準備しました。
ワークショップと同じ位置で同じ道具を用意しました。
カメラマンが来店して、段取りをうかがうとちょっと話が違っていました。
カメラマンのイメージとしては、漉いた後の風景も撮りたかったようで、圧搾と板干しの部分の準備が必要になりました。
最近、野菜入り和紙をずっと漉いていたので道具を出していたので、慌てずに用意できたのは今にしてみるとよかったです。
クイズ問題は、「どちらが豆腐を作っているでしょうか」というものだったので、
和紙を豆腐っぽく見せなければならないということが判明。
最初は、薄い和紙を漉(す)く予定で考えていましたが、厚く漉くやり方に急遽変更。
ちょっと焦って原料とネリであるトロロアオイの配合を間違ってしまいました…。
本来はすぐに水が切れるのが正解なのですが、とろみがついた状態でなかなか水が切れず沈黙時間が長かった…。(;^_^A
漉(す)いた所を撮影したら、今度は道具から和紙(湿った状態だと湿紙(しとがみ)といいます)剥がす所、そして圧搾まで撮影しました。
そしたら、別の場所でも撮影したいという希望で、道具を移動して再度同じ工程をまた撮影となりました。
ここまで約1時間は経過していて、船の中はちょうど良い状態だったのでかなり厚みのある和紙を漉(す)くことができました。
そして、次の難題が出てきました。
漉いた和紙をどんどん重ねていくのですが、ここを豆腐のように見せたいということでした。
当方では、治具がないので、一枚一枚不織布を敷いて重ねています。
すぐに板干しできるようにするためです。
その不織布をなくした状態で重ねていくのが困難でした…。
目安となる位置がないので、もう勘で置いていくしかありません。
結果は……、そりゃずれましたよ (´;ω;`)ウゥゥ
それでもなんとか角度でごまかして撮影していただきました。
許可をいただいて撮影させていただきました。
見事にずれていますね…。
光をあてたりしてアップで撮影していただきました。
そして、板干しの部分と完成した和紙も撮りたいということなので、同じサイズの和紙を用意しました。
トータルで2時間半かかり、無事に撮影は終了しました。
たった数秒しか映らないのに、労力はその何倍もかかりました。
しかも特番が生放送ということと、クイズ問題ということもあるので、大々的な宣伝もできないのが痛かったです。
そして、全カットになる可能性もあるということで、ひたすら放送されることを祈るしかありませんでした。
いよいよ放送がスタートしました。
番組は、「オールスター感謝祭'21春」でした。
うちにはレコーダーはありません。
しかも5時間半の長丁場なので、iPhone片手に待機していました。
いつ出題されるかわからないので、最初からチェックしなければなりません。
途中のミニコーナー部分で夕ご飯や掃除を済ませ、すぐにスマホで撮影できるように何度も途中ピントを合わせスタンバイしながら見ていました。
が、待てど暮らせど出題されず…。
結局、最後のブロック問題まで来てしまいました。
ここでは、歌詞からの問題だったのでこれも外れたな…っと思った瞬間でした。
歌詞の「もういっちょ」からの出題でした。
事前には「豆腐はどちらが作っているでしょうか」というクイズ問題と聞いていたので、慌てました。
音楽部分は撮れませんでしたが、クイズ問題は無事に観ることができました。
そして、4名の芸能人の皆様、間違えてくださりありがとうございました(;^_^A
「あっ間違えた」という言葉でちょっと救われた気分になりました。
結局使われたのは、最初に撮った方でした。
和紙を道具から剥がすところ、圧搾するところ、豆腐のように苦労して重ねたところ、板干ししたところは全カットでした…。
たった10秒しか映らないので仕方ありませんが、撮影や編集する方々は相当大変だなと改めて実感しました。
実は、この番組には縁があって20云年前にADをやる予定だったのです。
ちょうど映像会社に転職したばかりで出向という形で関わる話が出て、履歴書も渡されていたのです。
まだ特番ではなくレギュラー番組だった時代なので、だいぶ昔の話です。
結局は出向の話もなくなり、転職した会社も10日ばかりで辞めてしまったので今となっては思い出の一つでした。
まさか、形が違えど関わることが数十年後にめぐってくるとは夢にも思いませんでした。
今度は、きちんと紹介してくれる番組に呼ばれたいですね。
それまではコツコツ宣伝していかなければ…です。
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