こんにちは。
ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。
当ショップでは、無地の和紙だけでなくいろんな和紙を作って販売しています。
以前にチャレンジした野菜入り和紙の続編で、すだちの皮が入った和紙にチャンレンジしました。
結論から言うと失敗しました…。
どこら辺が失敗だったか恥をしのんでご紹介します…。
基本的に和紙にする野菜などは見切り品として食すには期限が過ぎてしまったものを使用します。
このすだちも同様で、見切り品としてスーパーで販売されていたので、有効活用したいと思ったのがきっかけです。
皮の黄色が無地の和紙とミックスされたら可愛らしいな~、
ほのかに柑橘の香がする和紙って素敵だな~、
そんなことを考えて試作に取り掛かりました。
皮を剥いてしっかり乾燥させます。
黒く見えるのはカビではなく、皮に残っていた緑色が乾燥して黒く変色したものです。
ごぼうやアスパラのように事前に煮ないでそのままで和紙の原料にミックスしようと思います。
皮を細かくしていきます。
最初、ハサミで細かく切っていたのですが、時間がかかるので木槌で叩いて細かくすることにしました。
ミキサーだと粉状になってしまうので、最初から使用することをやめようと思ったからです。
これが第一の失敗でした…。
皮の風合いを残すように大きめのかけらにしてしまったのがまずかったのですが、この時は一切気づきませんでした。
他の野菜入り和紙と同様に原料である楮(こうぞ)の繊維の中にすだちの皮を混ぜていきます。
皮は乾燥させただけなので、水の中に入れれば元に戻ります。
この時点で、ほのかに柑橘の香がしています。
私は面白がって漉(す)いていきます。
漉(す)いた直後の側面図です。
存在感があってこれは面白い和紙になるぞとこの時点では思っていました。
水を圧搾して、干した時点でようやく失敗したことに気づきました…。
すだちの皮が大きすぎて表面がボコボコになってしまいました…。
これでは、皮が和紙を突き抜けて落ちてしまいますし、平たんではないので文字なども書きづらいです。
しかも、凸凹のため、板にしっかり和紙が張り付いてくれません。
本来ならば、板にぴったりと張り付くことで表面が平たんになって文字や絵を書くのにベストな状態になりますが、これがすでに出来ません。
ここまできてしまったので、乾燥させるまで見守ることにしました。
乾いた状態がこちら。
皮の黄色が和紙に滲みでて見栄えもあんまり…になってしまいました…。
裏側も表面が凸凹でしっかりと刷毛で板に和紙を貼りつけられなかったので、隙間ができてしまいました。
これが第二の失敗でした…。
なんといっても第一の失敗であるすだちの皮を細かくできなかったのが敗因です。
はさみでは細く切っていたのですが、木槌だと小さな面状態になってしまったのが失敗でした。
香の点では、現時点ではほのかに香るので合格ですが、これはしばらく様子を見てどうなるかを調べたいと思います。
次回は、中身の果汁も加えてどうなるかを試したいです。
ただ、何も防腐加工は何もしていないので虫が寄って来てしまう可能性もあるので、もう少し検討する必要があります。
まだまだこれからもチャレンジを続け、失敗しながらも改善して商品ができるようにしていこうと思っています。
動画でも制作風景を紹介しています。
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