おフランスで和紙作りワークショップを開催しました!

こんにちは。

東京和紙の篠田です。

前回の記事がフランスでワークショップをしに行ってきますから早1カ月ぶり…。

無事にワークショップを開催しましたので、当日の様子をレポートしたいと思います。

パリはちょっとした紙ブームかも?

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11月22日に無事にフランスに到着しました!

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オペラ座

今回のワークショップ会場はパリのオペラ座近くになります。

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maison wa

歩いて10分程度で周りには日本食レストランや日本スーパーなどが並んでいるところでした。

まずは、荷物がきちんと着いたか、乾燥機に無事に電気が入るかをチェック。

場所も確認してどこに道具などを置くかなどを打合せしました。

準備はまだまだ続きます。

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ホテルの部屋で原料である楮(こうぞ)の皮を水に漬けて戻したり、叩いた白い楮(こうぞ)をほぐして水に漬けたりなど、すぐに和紙がすけるようにせっせと準備に励みました。

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フランスは基本的に水は硬水です。

和紙を作るのにはあまり適しているとは言えません。

そこで、日本食などを販売しているスーパーで軟水を発見!

しかも2ℓで1.8€位だったので、早速購入して混ぜて使用しました。

そしてワークショップ当日の23日!

残念ながら雨…。

ただ、土砂降りではない小ぶりだったので傘をささなくても大丈夫な感じでした。

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ワークショップスペース

濡れたり、和紙の繊維が飛んでも大丈夫な様にブルーシートを敷いて道具を置いて準備は完了。

今回は、原料の楮(こうぞ)の皮を剥いたり、叩いたりなどの原料作りから体験できるのは貴重だと思います。

しかも日本で作っている方法とほぼ同じ材料や道具で海外で体験できるのはなかなかないと思います。

そして、ワークショップがスタートしました。

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和紙の作り方資料(フランス語版)

まずは、資料を見ながらサンプルを見ながら触りながらどうやって和紙が作られているかを簡単に説明しました。

そして、いよいよ実際に手を動かして和紙を作っていきます。

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まずは、楮(こうぞ)の皮を白皮部分だけにするため表側の鬼皮、あま皮を剥く作業です。

皆さん、器用にスルスルと剥いていきます。

外国では当たり前かもしれませんが、左利きが多いので親近感がわきます(^^;)

(私も左利き)

参加者の皆さんも自由に写真撮影OKにしていましたので、作業しながら途中で何回も止めて写真を撮っていました。

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今度は、白い皮を3時間位煮たものを叩いて繊維をほぐして細くしていく打解(だかい)作業です。

皆さん、リズムよく叩いていますよ。

中には、木槌に原料が貼りついて飛ばしてしまう方もいました。

そして、いよいよお待ちかねの和紙すき工程になります。

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今回道具の都合上一人ずつ漉いて頂く流れになりますので、待っている方は漉いた白い和紙にデコレーションするカラフルな和紙を選んで頂くことにしました。

最初の練習段階ではおっかなびっくりな手つきでしたが、あっという間に綺麗に和紙を漉き上げました。

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飾り付けの作業も楽しいひと時となりました。

カラフルな色和紙や可愛らしい柄が入った千代紙など好きな様にかざることができるので、皆さん配置やチョイスなど迷われて時間をかけて飾っていらっしゃいました。

飾り付けが終われば、水気を切って乾燥機で乾かします。

残念ながら変圧の関係で温度が上がらずいつもより長い時間かかってしまいました。

外国だと電圧が変わるので変圧器は必須です。

他の国でもショートしたり今一つ相性がよくありません…。

古い乾燥機を持ち込んでいるので今後の課題でもあります。

乾燥を待っている間は、皆さんからの質問に答えたり、水引に関してもご紹介しました。

水引も芯が和紙で出来ているのですが、そのことを紹介すると驚かれていました。

ヨーロッパでは水引に似たものは見ることは滅多にないと思うのでこちらも貴重だったのではと思います。

無事に1回目も2回目も少し予定時間をオーバーしましたが開催出来ました!

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今回の参加者の皆さんは、30代~50代の女性をメインとして集まって頂けました。

フランスでも和紙や日本文化への興味が高いことが現地に行ってみてさらに実感しました。

皆さんからのアンケートはこちら

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1回目の参加者アンケート

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2回目参加者アンケート

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主催総評

参加者の皆さんだけでなく、現地に住んでいらっしゃる日本人の方や現地の方などいろんな方が見学にいらしてくださいました。

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押し花プレゼント

総評にも書いてありましたが、予約から漏れてしまったおばあさまとお孫さんのお嬢さん2人が見学にいらして熱心に質問しながら工程をご覧になっていました。

ワークショップする前に原料の具合などをみるためテストが必要だったので、せっかくならばお二人にも和紙を漉いて頂くことにしました。

感激されたおばあさまが自分で作られた押し花を私にプレゼントしてくださいました。

もちろん、ご自分の作品にもこの押し花を使って素敵な和紙カードを作られました。

ワークショップの中でもご厚意によって使わせて頂ける許可がおりましたので、皆さまに勧めると喜んでみなさん綺麗な花を入れてカードを仕上げていました。

今まで海外で和紙作りワークショップはイベントの中での開催でした。

今回は、作ることを目的としたワークショップでの反応だったので、本当にフランスの皆さんの関心度はうれしかったです。

今回の経験を活かして東京の「和紙ラボtokyo」でも日本人だけでなく海外の人にも参加いただけるワークショップを企画していきたいと思います。

今回、準備や集客、同時通訳などご協力いただいたmaison waのスタッフの皆さん本当に感謝しております。

また機会がありましたら第二弾を開催出来ればうれしいです。