こんにちは。
ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。
テレビで野菜入り和紙が紹介されてからいろいろお問い合わせをいただいております。
特に野菜などを作っている農園や製造メーカーからもご連絡を頂き、まだ試していない野菜や果物がたくさんあることを改めて実感しました。
そこで今回は久しぶりに果物入りの和紙を作ることにしました。
ちょうど旬を過ぎて廃棄寸前だったアメリカンチェリーで作ってみることにしました。
最初はぶどうと同じようになるだろうと予想していましたが、実際は全く違いました。
さて、どんな風に和紙が仕上がったかをご紹介します。
実は、アメリカンチェリーは和製英語で実際の英語では、「Bing cherry」と言うそうです。
日本のサクランボでは、皮は赤くても果肉は白いので色が抽出できませんが、
アメリカンチェリーならば、果肉も赤色をしているので和紙が染まるのではないかと考えたのがきっかけです。
そして、ぶどうに似ているので同じように赤く染まった和紙が完成すると想定しました。
色を抽出するためにチェリーを煮ていくとどんどん色が変化していきました。
最初ミキサーで攪拌した際は赤色だったのですが、どんどんこげ茶に近い黒色に変化していきました。
考えてみれば、水に漬けた際にどんどん赤から茶色に変化していったように思えますので、煮てどんどん黒さが増したのかもしれません。
とにかくこのまま作業は進めることにしました。
ここまでくるとなんの果実や野菜で染めていたかが分からなくなりますね。(;^_^A
とにかく色が和紙原料に染まるように願って進めていきました。
いよいよ染まった和紙を漉(す)いていきます。
水は黒いですが、原料自体にはあまり色が浸透していないようです。
ほんのり色づく感じになりそうです。
そして、なぜかほろ苦い香りがしてきました。
決してチェリーを煮ている最中に焦がしていません。
苦いだけでなく甘味のある香りがします。
まるで、コーヒーゼリーのような香りが作業スペースに漂ってきました。
なぜ、この香りがするかは謎です(;^_^A
ポストカードと薄めのA5サイズの2サイズを漉いてみました。
板干しすると全体的には染まっていないのが分かりますね。
それでもアメリカンチェリーの皮はしっかりと存在感があります。
色はついていないと思っていましたが、無地の和紙と比べるとそれでもベースにも色が入っているのが分かります。
厚みのあるポストカードの方がより色合いが分かりますね。
そして、あのコーヒーゼリーの香りも残っています。
ポストカードはオンラインショップでも販売しています。
shop.thewashi.tokyo A5サイズは、それぞれに少しずつ厚みも違うので、店頭のみでの販売とさせていただいています。
気になる方は是非、ショップにいらして厚み加減を確認していただけると嬉しいです。
下地の色はだんだんに抜けていくと思いますが、アメリカンチェリーの皮の色は残ると思います。
化学薬品を使用していませんので、自然そのままの色や香りを楽しんでいただければ幸いです。
文章を書いて送るのもよし、
折ったり切ったりして作品を作るもよし、
プレゼントを包む包装紙や帯紙として使用するもよし、
文字を印刷してカードにするもよし。
アイディア次第でいろんな方法で楽しむことができます。
これからもどんどんいろんな野菜や果実にチャレンジしていきたいと思います。
まだまだメーカーさまや農園さまからのお問い合わせも大歓迎です。
試して作ったことがない植物の場合、必ずサンプルを作ってそれを確認してから実際の和紙を作らせて頂きますので、一緒に作っていく感覚を持って頂けると幸いです。
もちろん、個人のお客様からのお問い合わせもお待ちしております。
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