野菜入り手漉き和紙ラインナップ~その1~

こんにちは。

ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。

最近、テーマとなっている野菜入り和紙作り。

廃棄寸前の野菜を新たに和紙にして役目をはたしてもらおうと思い、

実験を繰り返しながら作っています。

いままでいくつかチャレンジしてきました。

ここで今までどんな野菜やフルーツを試したかをまとめたいと思います。

ポストカードや薄い和紙も販売しているので、ご興味あるかたは是非ショッピングサイトをご覧ください。


 

~野菜入り和紙ラインナップ~ 

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去年の7月から定期的にチャレンジしてきました。

きっかけは、新型コロナウィルスでした。

売れ行き商品ががらりと変わってしまったり、飲食店などの自粛休業などで野菜の廃棄量が増加したというニュースを目にしてから試作し始めました。

よって、使用している野菜はすべて見切り品の廃棄寸前の野菜です。

これはまずルールとなりました。

 

~アスパラガス~

和紙にするにはまず繊維が強いものから始めることにしました。

その中で選んだのがアスパラガスでした。

廃棄寸前のものは水分がなくなってちょうど良い具合に繊維だけが残っているので和紙には合っていると思った次第です。

アスパラガス入りの和紙作りはこちらをご覧ください。


www.youtube.com

最初はどれくらい煮ればよいか、どうやって処理をすればよいのか全く見当がつかなかったので、見よう見まねで試してみました。

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しっかり黄緑色のアスパラ繊維が残って無地和紙の中に混ざってくれました。

約半年経過しましたが、変色もなくそのままで残っています。

反省点としてはちょっと煮すぎと繊維を短く切った方が良かったです。

おかげさまで完売となりました。

次回また制作するかは、検討中です。

 

~キャベツ~

続いてキャベツにチャレンジ。

アスパラガスと同じくらい煮たら、繊維が粉々になってしまいました。

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キャベツの原形は全く残っていないので、言われないと分からないかも。

しかし、文章やイラストを描くには目立たなくてよいかもしれません。

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反省点は、もっと色が濃いキャベツの葉っぱを使用するのと煮る時間を考える必要がありました。

こちらはネットでも販売しております。

shop.thewashi.tokyo

ごぼう

繊維が強い野菜といえば、ごぼうを思い出しチャレンジしました。

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やはり長時間煮ても繊維がきちんと残っていました。

これを叩いて繊維を細かくして和紙を漉(す)いていきました。

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一番、ごぼうっぽい雰囲気が残る和紙になりました。

偶然ごぼうのスタンプがあったので捺印してみました。

この素朴感がいいですね。

こちらは、残り1枚のため店頭のみで販売しています。
 

~すだち~

野菜だけでなく、フルーツ入りの和紙にもチャレンジしてみました。

最初はすだちでした。

繊維ではなく、皮に注目してさわやかな和紙を作りたかったのですが、1回目は見事に失敗…。

2回目も失敗し、3回目でようやく希望の和紙を作ることができました。


リベンジ!すだち入り和紙作りに再挑戦!

柑橘類なので、どうしても香りがする和紙を作りたかったのです。

完成して2か月くらい経ちますが、まだほのかに香っています。

是非、リラックスしてみませんか。

こちらもおかげさまで残り1枚となりましたので、店頭のみの販売となります。


~青菜(ターサイ)~

香りの次は色にテーマをもっていきました。

そこで色が濃い青菜でチャレンジしました。


実験!綺麗な野菜色の和紙を作ろう!

予想以上に緑色が残って1回目に漉いたものはあっという間に売り切れてしまいました。

2回目に漉いたものは少し緑色がうすいですが、それでも淡い緑色が残った和紙になりました。

shop.thewashi.tokyo

なぜかお茶の香りがする和紙にもなりました。

薬品による色止めはしていないため、自然に色は退色していきます。

自然の変化を楽しんでいただければと思います。

香りはずっと保っていますよ。

   

~茄子~

色の濃い野菜シリーズは続きます。

次は茄子の皮でチャレンジです。


www.youtube.com

濃い紫を期待したのですが、全く色が出ませんでした。

しかし、皮の繊維が強く、違う意味で味わい深い和紙が完成しました。

shop.thewashi.tokyo 

~ぶどう~

色について、草木染の方法を参考にして作ることにしました。

そこで、ぶどうの皮は染色しやすいといくつかの資料に明記されていたので、さっそくチャレンジ。


www.youtube.com

布と和紙では勝手がちがうので、自分なりの考察も入れながら作ってみたら、染色した和紙が完成しました。

shop.thewashi.tokyo

 

~最後に

今後も色にこだわってチャレンジしたいと思っています。

また、フルーツ系は香りも長い時間ほんのりする和紙を作れるようになりたいと思っています。

手にした人が香りや色合いで心がほっこりして書くだけでなくコレクションしたくなるような和紙を目指していきます。

葉書だけでなく、何か作品作りをされたい方向けにA5サイズの薄い和紙もそろえています。

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薄いので、包んだりちぎって絵を作るのも素敵ですね。

現在、ショップでの販売のみとなっているので徐々にネットショップにもあげていく予定です。

使い方などの紹介も今後していきたいと思っています。

まだまだチャレンジは続きます。

今後も温かみのある自然な色合いの和紙を作っていく予定です。 



   

#papermaking #Washi #Vegetables #WashilaboTOKYO #handmade #Traditional

 

 

 

作家さんやアーティストさんが東京和紙を使って作品作りしています。

こんにちは。

ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。

最近、作家さんやアーティストの皆さんが東京和紙を使って作品作りをされる方が少しずつ増えてきました。

お問い合わせも定期的にきております。

他にはない魅力を感じていただけて大変うれしいです。

どんな風に作品にされているかをご紹介したいと思います。  


 

紙切り芸人~

 以前にご紹介した紙切り芸人さんがうちの和紙を使って高座に出演されています。

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詳細はこちら

www.tokyowashi.com

 普通の和紙と違って、本来白い和紙には入れない緑色のあま皮をミックスさせています。

また、切る際に和紙が立ち上がるように少し厚めに漉(す)いています。

なかなかコロナ過で足を運べないかもしれませんが、ぜひご覧頂きたいです。


www.youtube.com

 

~切り絵~

 RIEKOさんという切り絵アーティストさんがうちの和紙を使って作品を作られました。

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今回は、背景の和紙として東京和紙を使って頂きました。

見事な作品です。

一瞬描いた絵や版画だと思ったのですが、黒い部分が切り絵になっています。

作品の中の方は、茶人の北見宗幸さんだそうです。

Instaglamに作品とお写真が一緒に投稿されているのですが、そっくりでした。

東京和紙は化学漂白を一切しておりませんので、楮(こうぞ)本来の白さになります。

この和紙は、チリ入り(あま皮や鬼皮が少量含まれていること)和紙となっているので、さらにオフホワイトですが、それがまた茶人の人柄をやわらかい印象にさせていると思います。

今後は、ぜひ色付きの東京和紙で作品作りをしていただけると嬉しいです。

RIEKOさんの詳細はこちら

moga-mogador.com

Instaglam

https://www.instagram.com/mogasupa/?hl=ja
 

~コラージュ・カリグラフィー~

 書道アーティストの粋雪さんの作品です。

当ワークショップにご参加頂きご自分で作った和紙を使って作品を仕上げられました。

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なんと、手帳にくっついていてそのままが作品となっているそうです。

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右側の作品にもご自分で作られた和紙をちぎって貼り合わせて仕上げられたそうです。

渋谷のお店に飾られているそうです。

テーマをうかがったところ、(以下転送)

「テーマは、『夢』、『ぬくもりのある時間』です。

新しい文化やカルチャーが生まれる場所である渋谷という場所に置く作品。多様化となり、変わりゆく時代の中でも、変わらずにあってほしいものがあるという私の願いも込めて表現しました。

私の中では具体的な景色がありますが、見てる人に想像してもらいたいと、あえて抽象的に仕上げています。」

ではなぜ東京和紙を使おうと思ったかということろは、

「栽培から人の手を使ってできたものを使い、人の手のぬくもりもここに残せていたらいいなと思ったからです。」
嬉しいお言葉です。
きちんと東京和紙の活動に賛同いただいて作品作りにメッセージを込めていただけたこと大変感謝しております。
ワークショップの模様はこちら
  

~ディスプレイ~

 和紙だけではなく水引もアートに使用されています。

しかも日本だけでなく、海外からオファーを頂き納品させていただきました。

NYの施工会社から問い合わせ頂き水引の梅結びを注文頂きました。

木箱にオーナメントとして使用したいということでした。

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ネイティブな英語メールと日々格闘しながらなんとか先方の希望通りのものを納品できてうれしかったです。

展示されているところを見たいのですね…。

 

~ほかにも~

 他にも問い合わせなどで、折り紙、書道、ペーパークイニング、表装などをされている方々からも頂いております。

変わったところでは、以前ソファーを作りたいからサンプルを作ってほしいという家具屋さんからもお問い合わせ頂きました。

 昨年あたりから完成した商品ではなく、和紙や水引本来の注文や問い合わせが増えてきています。

当方としてはどちらも充実させてあらゆる用途でも対応できる東京和紙を提供していきたいと思います。

ご興味ある方は、ぜひお問い合わせかご来店いただくことを心よりお待ちしております。
   

#papermaking #Washi #WashilaboTOKYO #handmade #Traditional #Japanesepaper #Art

 

 

 

久しぶりに東京和紙がテレビ出演しましたが…。

こんにちは。

ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。

先日、久しぶりにテレビの撮影オファーがきました。

今回はちょっと変わった形での出演となりました。

 残念ながら私の顔も東京和紙の名前もクレジットされません。

宣伝という意味では効果は見込めませんが、縁を感じネタの一つになるだろうと思って

引き受けました。

どんな風な撮影だったか、またどんなオファーだったかをご紹介します。


 

~オファーは突然に~

 

3月の上旬の午後にある電話が入ってきました。

相手はTBSテレビでした。

今月末に放送予定される特番のクイズ問題として和紙を漉いているところを撮影したいということでした。

どうやら東京和紙の動画をご覧になって連絡してきたようです。

おそらく見られたのはこの動画


和紙ラボTOKYOの手すき和紙製造過程

本番まで2週間ない状態での電話でした。

前回テレビ出演させていただいたときもそうですが、いつも直前になっての問い合わせやオファーなんですよね…。

しかも、クイズのはずれの映像というのもずっこけて笑ってしまいました。

宣伝効果はまるでありませんし、和紙を知ってもらうというのも違う感じになりそうだなと思ったのですが、全国ネットは初めてだしネタの一つになりそうだと思って引き受けました。

ただ、まだ正式な決定ではないそうで、期待せずに連絡を待つことにしました。

それから約一週間なんの連絡も来なかったので、企画から外れたのかなと思っていた矢先にまた連絡がきて正式に撮影することが決まったそうです。

漉いているところのみでOKということだったので、そんなに準備もないので短時間で終わるだろうと思って先方の希望の日程で引き受けました。

 実際は全く違いましたがね…。

   

~いよいよ撮影~

 

放送予定の一週間前に撮影となりました。

和紙を漉くシーンでよいということだったので、いつものスタイルで準備しました。

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 ワークショップと同じ位置で同じ道具を用意しました。

カメラマンが来店して、段取りをうかがうとちょっと話が違っていました。

カメラマンのイメージとしては、漉いた後の風景も撮りたかったようで、圧搾と板干しの部分の準備が必要になりました。

最近、野菜入り和紙をずっと漉いていたので道具を出していたので、慌てずに用意できたのは今にしてみるとよかったです。
 

~正解は豆腐~

 

 クイズ問題は、「どちらが豆腐を作っているでしょうか」というものだったので、

和紙を豆腐っぽく見せなければならないということが判明。

最初は、薄い和紙を漉(す)く予定で考えていましたが、厚く漉くやり方に急遽変更。

ちょっと焦って原料とネリであるトロロアオイの配合を間違ってしまいました…。

本来はすぐに水が切れるのが正解なのですが、とろみがついた状態でなかなか水が切れず沈黙時間が長かった…。(;^_^A

漉(す)いた所を撮影したら、今度は道具から和紙(湿った状態だと湿紙(しとがみ)といいます)剥がす所、そして圧搾まで撮影しました。

そしたら、別の場所でも撮影したいという希望で、道具を移動して再度同じ工程をまた撮影となりました。

ここまで約1時間は経過していて、船の中はちょうど良い状態だったのでかなり厚みのある和紙を漉(す)くことができました。

そして、次の難題が出てきました。

漉いた和紙をどんどん重ねていくのですが、ここを豆腐のように見せたいということでした。

当方では、治具がないので、一枚一枚不織布を敷いて重ねています。

すぐに板干しできるようにするためです。

その不織布をなくした状態で重ねていくのが困難でした…。

目安となる位置がないので、もう勘で置いていくしかありません。

結果は……、そりゃずれましたよ (´;ω;`)ウゥゥ

それでもなんとか角度でごまかして撮影していただきました。

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許可をいただいて撮影させていただきました。

見事にずれていますね…。

光をあてたりしてアップで撮影していただきました。

そして、板干しの部分と完成した和紙も撮りたいということなので、同じサイズの和紙を用意しました。

トータルで2時間半かかり、無事に撮影は終了しました。

たった数秒しか映らないのに、労力はその何倍もかかりました。

しかも特番が生放送ということと、クイズ問題ということもあるので、大々的な宣伝もできないのが痛かったです。

そして、全カットになる可能性もあるということで、ひたすら放送されることを祈るしかありませんでした。
 

~いよいよ放送スタート~

 

いよいよ放送がスタートしました。

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番組は、「オールスター感謝祭'21春」でした。

うちにはレコーダーはありません。

しかも5時間半の長丁場なので、iPhone片手に待機していました。

 いつ出題されるかわからないので、最初からチェックしなければなりません。

途中のミニコーナー部分で夕ご飯や掃除を済ませ、すぐにスマホで撮影できるように何度も途中ピントを合わせスタンバイしながら見ていました。

が、待てど暮らせど出題されず…。

結局、最後のブロック問題まで来てしまいました。

ここでは、歌詞からの問題だったのでこれも外れたな…っと思った瞬間でした。

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 歌詞の「もういっちょ」からの出題でした。

事前には「豆腐はどちらが作っているでしょうか」というクイズ問題と聞いていたので、慌てました。

 音楽部分は撮れませんでしたが、クイズ問題は無事に観ることができました。

そして、4名の芸能人の皆様、間違えてくださりありがとうございました(;^_^A

「あっ間違えた」という言葉でちょっと救われた気分になりました。

結局使われたのは、最初に撮った方でした。

和紙を道具から剥がすところ、圧搾するところ、豆腐のように苦労して重ねたところ、板干ししたところは全カットでした…。

 

~最後に~

 

たった10秒しか映らないので仕方ありませんが、撮影や編集する方々は相当大変だなと改めて実感しました。

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 実は、この番組には縁があって20云年前にADをやる予定だったのです。

ちょうど映像会社に転職したばかりで出向という形で関わる話が出て、履歴書も渡されていたのです。

まだ特番ではなくレギュラー番組だった時代なので、だいぶ昔の話です。

結局は出向の話もなくなり、転職した会社も10日ばかりで辞めてしまったので今となっては思い出の一つでした。

まさか、形が違えど関わることが数十年後にめぐってくるとは夢にも思いませんでした。

今度は、きちんと紹介してくれる番組に呼ばれたいですね。

それまではコツコツ宣伝していかなければ…です。 



   

#papermaking #Washi #TV #WashilaboTOKYO #handmade #Traditional #Japanesepaper

 

 

 

またまた鮮やかな野菜入り手漉き和紙を作ることにチャレンジ!

こんにちは。

ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。

最近、テーマとなっている野菜入り和紙作り。

廃棄寸前の野菜を新たに和紙にして役目をはたしてもらおうと思い、

実験を繰り返しながら作っています。

今回は、茄子にチャレンジ。

皮のあの紫色が活かせた和紙を作りたいと思ったのですが…。

どんな風に作ったかをご紹介します。


 

~いままでの野菜入り和紙~

 

まずは、香りを残したすだち入り和紙の動画を紹介します。


リベンジ!すだち入り和紙作りに再挑戦!

次は、青菜(ターサイ)入りにチャレンジしました。


実験!綺麗な野菜色の和紙を作ろう!

こちらの和紙はとても好評だったので、今回も張り切ってチャレンジしたいと思います。

   

茄子にチャレンジ

 

今回の野菜は茄子を使います。

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今回も廃棄寸前の見切り品を使用します。

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皮の部分のみを使用するので、千切りにしてます。

茄子は、草木染でも使用されているようなのでどんな色になるかが楽しみです。
 

~茄子を煮て媒染してみたが…~

 

 他の野菜と同じに、アルカリ性の水で短時間煮てそのあと媒染してみたのですが…。

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 ほとんど色は出ませんでした…。

これは次回に向けて課題となりました。

皮はかなりへなへなになっているので、手でつぶして和紙原料にミックスしていきます。
 

いよいよ和紙漉(す)き

 

いよいよ茄子入り和紙を漉いていきます。

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今回、ベースとなる無地の和紙原料は再生紙を使用することにしました。
ディスプレイ用のピンク色の和紙と合わせて余った無地和紙も再生させていました。

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一度和紙に乾燥させたものは水に漬けただけでは繊維が絡まっていて玉状態なので、かなり攪拌して綿毛のような繊維にしています。

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茄子皮をインして、ネリを投入。

今回は、茄子同様に見切り品だったオクラの粘り液もミックスしました。

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 漉(す)いている最中は、茄子の漬物をミックスしているように見えてしましました。

山形県?で有名な「だし」を入れているように見えて仕方ありませんでした…)

残念ながら皮の紫色はグレーがかった緑色に変色してしまいました。

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 水を圧搾して板に干したら、今度はわかめに見えてしまいました…。

勢いあまって茄子皮の量が多かったようです。

少量にして様子を見ればよかったです。

 

~最後に

 

今の段階ではまだ和紙が乾いていないので仕上がりはまだわかりません。

今回はちょっとずつ失敗を繰り返してしまったようです。

香りはもともとなくて色も抽出できなかったので、残念ながらイメージしていた和紙と違ってしまいました。

まだまだ実験は続きます…。

 

次回は、フルーツにチャレンジします。

今度は成功しますように!

 

   

#papermaking #Washi #Vegetables #WashilaboTOKYO #handmade #Traditional

 

 

 

手漉き和紙作りに大事なトロロアオイの整備

こんにちは。

ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。

先月、和紙の原料である楮(こうぞ)を整備しました。

和紙作りにはもう一つ大事な植物があります。

それはトロロアオイという名で、こちらも整備が必要です。

来月後半には種まきが待っているので、早いうちにスペースを確保しなければです。

どんな風に整備したかをご紹介します。


 

~念のためご紹介~

 

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、再度ご案内。

東京都台東区御徒町に当店「和紙ラボTOKYO」がございます。

ショップ兼工房となっていて、和紙を作りながら和紙商品や水引を販売をしております。

そして、和紙の原料もショップの前でほんの少しですが栽培しています。

詳細はこちらをご覧ください。


和紙ラボTOKYOの手すき和紙製造過程

 畑や山で栽培しているものよりも小さめですが、それでも約3mも超える枝っぷりです。

そこまで成長させるにはやはり大きめのプランターで育てる必要があります。

小さめのプランターで育てていた楮をまず大きめなプランターに移動します。

詳細はこちら

www.tokyowashi.com

  

残っていた楮(こうぞ)を整備

 

トロロアオイの前に残っていた楮(こうぞ)の整備をします。

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現在、左側のプランターで育てていたのを右側のスペースが大きいものに移動します。

やはり根っこが伸び伸びした状態だと上に伸びる幹も大きくなります。

基本的に、楮(こうぞ)は3年以上成長させないと和紙にすることはできません。

和紙は、楮などの木の皮から作られています。

すでに3年は経過したので、移植します。

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 他にも小さかった楮(こうぞ)を移植し、今年の春に向けて準備万端です。

新芽が楽しみです。

 

トロロアオイの移植~

 

楮(こうぞ)だけでなく、トロロアオイも和紙作りには大事な植物です。

詳しくはこちら

thewashi.tokyo

www.tokyowashi.com

ショップ前には昨年中途半端に芽が出てしまったものと花や実を咲かせていた状態のものがそのまま放置しておりました。

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見栄えも悪い状態をそのまましてしまってすいませんでした…。

きちんと手入れを忘れないようにせねば。

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土の状態がよいとすでに新芽が出始めているので早速作業に取り掛かります。

基本的に、トロロアオイは1年で育てたものを和紙作りには使用します。

4月後半から遅くとも6月までに種まきをして双葉を発芽させます。

ただ、そのまま越冬して生き残っているものは成長が早くすぐに芽吹いているので、花や実を育てるにはたくさん収穫できてよいです。

今回は、約半分が越冬できたようなので、移植していきます。

まずは、根をメインに育てるものと花や実を育てるものと分けます。

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 栄養分が高い土だと中途半端な時期に発芽してしまったものでも約25cmくらい根がすでに伸びています。

まだまだ細いのでこれを今年は太らせていきます。

よって、高さのあるプランターに移動します。

他にも、花などの観賞用のものや、まだまだ芽が小さいものは大きめのプランターに移植し、様子を見て再度高さのあるプランターに移動させていきます。

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移植完了!

1つ成長できるかどうか危ういものがあったので、少し小さめのプランターに移植して様子をみます。

さらに来月種まきをして根をメインに育てるトロロアオイを増やします。

大きなプランター以外は100均ショップで購入したものです。

土も同様をミックスして使用しています。

畑がなくても、大きなベランダがなくても育てることができます。

和紙作りには根をメインに育てますが、野菜として花や実を食すことができます。

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花びらは酢漬けしたりそのままサラダとして食べれます。

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実はオクラのような形状で、味や触感、粘りも同じです。

春に種を植えて夏には収穫ができるので、ぜひ今年チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

また大きく成長してくれることを願うばかりです。


   

#kozo #Washi #Abelmoschus manihot #WashilaboTOKYO

 

 

 

再生した和紙でショップを桜満開にしてみよう!

こんにちは。

ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。

先日、余ったり端だけしかない和紙をまた新たな和紙に再生しました。

ショップを飾り付けるための和紙を作るためです。

春がもうそこまで近づいているので、華やかな飾りを作りたいと思った次第です。

春といえば、桜!

桜をたくさん作ってショップドアを飾ってみました。

どんな風に飾られたかをご紹介します。


 

~再生和紙の制作工程~

 

まずは、再生和紙と作っている風景の動画を紹介します。


余った和紙を新たな和紙へ再生!

記事でも紹介していますよ。

thewashi.tokyo

ちょっと失敗してしまいましたが、和紙の繊維が感じられる仕上がりになりました。

この和紙を使って飾り付けしていきます。

   

~桜の花びらをカット~

 

今回のテーマは、「春・桜」です。

まずは、和紙を正方形に切っていきます。

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いくつかサイズを変えてカット!

これを桜の花の形にカットしていきます。

切り方はネットを参考にしながらトライしてみました。

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ピンクの濃淡が華やかな桜の花びらにピッタリですね。

切り方もいろいろ変えてバリエーションを増やしながらどんどん切っていきます。

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すべての再生和紙で切ってみました。

今回の飾りには、春の鳥でもあるつばめもカット。

こちらも前に和紙かばんを作ったときにプリントして余ったものを使用します。

  

~いよいよ飾り付け~

 

いよいよ切った和紙をショップのドアに飾り付けていきます。

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雨が降っても問題ないようにショップの内側に貼っていきます。

貼る糊は、こんにゃく糊を使用しました。

和紙作りには必須な糊なのです。

以前、スティック糊で貼り付けたら剥がす際にドロドロになってめちゃめちゃ時間がかかったので却下しました。

貼るときも剥がすときもするっと作業できる糊を選んでくださいね。

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外から絵柄がわかるように表面に糊をつけて貼っていきます。

窓のワイヤー格子が気になるのですが、防犯、震災防止などのために必須なので一瞬我慢してみてください。

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内側からみるとこんな感じで飾りました。

たくさん飾り付けてしまうと外の人が店内の様子を見ることができないため、

ほどほどにしています。

 

~外から完成した状態を見よう~

  

外からどんな風な仕上がりになるかを確認してみましょう。

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左側のドアです。

こちらの面には、看板があるのでバランスを見ながら位置を決めました。

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右側のドアです。

こちらには、商品を見ていただきたいので邪魔にならないように貼りました。

いかがでしょうか?

 制作過程の動画も作ってみました!


再生した手すき和紙で桜を作って飾ってみよう!

  

~また余りの和紙が出ました~

 

 正方形に切った和紙を桜の形に切ったので、またまた余りや端の和紙がでました。

これもまた再利用します。

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今度は、細かくカットして、和紙を漉いた際の飾りに使用したり、

また水に漬けて繊維に戻してお描き用の色和紙として使用します。

最後の最後まで使いきるようにしていますよ。

今回は、春バージョンでしたが今後も四季やイベントに合わせて和紙で飾り付けをしていきますので、ぜひ、コロナが落ち着いたら遊びにいらしてください。

昼間もよいのですが、夜になると外が暗いので、和紙の色合いがきれいに出てこれまた綺麗ですよ。

(ショップ内から見たほうがGood) 

 

和紙作りや再生和紙などにご興味あるかたはこちらからお問い合わせくださいませ。

shop.thewashi.tokyo


  

#cherry blossoms #papermaking #Washi # #WashilaboTOKYO #handmade #Traditional

#recyclingpaper 

 

 

今回のミッションは鮮やかな野菜入り手漉き和紙を作ること

*こんにちは。

ショップ「和紙ラボTOKYO」を運営する東京和紙の篠田です。

最近、テーマとなっている野菜入り和紙作り。

廃棄寸前の野菜を新たに和紙にして役目をはたしてもらおうと思い、

実験を繰り返しながら作っています。

前回、すだち入り和紙が香りを残すことができたので、

今回は、鮮やかな野菜色が残った和紙を作ってみようと試行錯誤しました。

どんな風に作ったかをご紹介します。


 

~香り残すすだち入り和紙~

 

まずは、香りを残したすだち入り和紙の動画を紹介します。


リベンジ!すだち入り和紙作りに再挑戦! 

今回の野菜入り和紙もほとんど同じ作業をします。

  

青菜(ターサイ)でチャレンジ

 

今回の野菜はターサイを使います。

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今回も廃棄寸前の見切り品を使用します。

外側の葉は黄色になっていましたが、まだまだ濃い緑色をしているのでこれでチャレンジします。

テーマは、「色」なので濃い色の野菜を選びました。 

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アルカリ性の水で煮ていきます。

和紙作りでいうと「煮熟(しゃじゅく)」という作業にあたります。

余計な成分をなくして繊維だけを残すようにする作業になります。

いままでは、かなり煮込んで色まで抜けてしまっていたので今回は短時間で鮮やかな緑色を残すようにしました。

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今度は、繊維を壊して細かくするため叩きます。

和紙作りでも「打解(だかい)」の作業になります。

ここでちょっと失敗しました。

漉いた後に気づいたのですが、叩いただけでは繊維が長すぎたのでここの時点でハサミでカットしたほうがよかったです。

葉の緑色の部分も細かくしていきます。

次は、媒染作業です。

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色が抜けないようにみょうばん水で色止めします。

ここは、草木染の方法を参考にしました。

1時間くらいかきまぜながらまんべんなく浸かるようにします。

そのあと、洗うのですが、そのまま緑色が残ったのでちょっと一安心です。

また、すすいだ時の水もかなり緑色が残っていたのでこれも漉く際に使用することにしました。
 

いよいよ和紙漉き

 

いよいよ和紙を漉いていきます。

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和紙のもとは白いのですが、緑色の水と野菜でいい具合です。
実は、この実験の前にすだちでも色を染めることができないかと実験しました。

すだちの皮だけでなく、和紙のもとも併せて煮てみました。

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しかし、漉いて乾燥させてみると色もまったく出ていないし繊維がぼそぼそとしてしまったので、和紙のもとはそのまま白いものを使用することにしました。

もしかしたら乾燥させたところから野菜の煮汁にしみこませると染まるかもしれませんね。 

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実際漉いてみるといい具合に緑色になっています。

乾いていない状態では「和紙」とは呼ばないのです。

湿っているので「湿紙(しとがみ)」といいます。

今時点ではかなり満足のいく色合いです。

ただし、乾燥させると色合いが薄くなるのは承知しているので、どれくらい色が残るかが気になります。

乾燥は、自然で干していきます。

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 翌日の朝、チェックしてみるとすでに乾燥していました。

色合いも十分に緑色が残っています。

香りもお茶のようなさわやかな香りがしますよ。

葉のえぐみは感じられませんでした。

野菜の繊維もきちんと見えるのでわりと満足いく出来栄えでした。

一連の制作手順を動画にもまとめました。


実験!綺麗な野菜色の和紙を作ろう!

 

~最後に

 

厚みのある和紙だけでなく、薄い和紙も漉いてみましたが問題なく色も香りも野菜の繊維も残っていました。

この和紙を使って何を作っていくかが今後の課題となります。

また、他の野菜や果実を使って別の色にも挑戦したいと思います。

草木染の勉強も必要と改めて感じました。

どんどん和紙を「ラボ」していきたいと思います。

タイミングがよければ、和紙作りワークショップで野菜入り和紙を作ることができますよ。

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 リクエストを言っていただければ、対応できるように調整してみようと思います。

和紙作りにご興味あるかたはこちらからお申込みください

shop.thewashi.tokyo



   

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