一から手すき和紙で年賀状を作っています。

こんにちは。

東京和紙の篠田です。

もうすぐ今年も終わりますね。

年賀状の準備は完了していますか?

年々出される方も少なくなって来ていますが、和紙屋としては商品アピールの意味もありますので、いまのところ辞めるということは考えていません。(^^;)

東京和紙は手すき和紙屋でございますので、どうやって年賀はがきを作っているかを

簡単にご紹介したいと思います。

 


 

原料を煮る

 

和紙の原料は楮(こうぞ)の白い皮です。

普段は乾燥させて保管しています。

使用する際に水に一昼夜水に漬けて戻していきます。

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楮(こうぞ)を鍋でぐつぐつ煮ていきます。

この写真は、煮始めの時のものです。

約3時間位煮ていくとくたくたになっています。

かんぴょうを煮た状態が近いですね。

 

原料を洗う

 

植物なので、煮ていると灰汁などが出てきます。

それを何回も水を交換して洗っていきます。

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最初は水も楮(こうぞ)も黄色いですね。

水を交換しながら太陽の光にも当てていきます。

すると

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ここまで白くなっていきます。

水も透明になっていますね。

白い和紙にするには、ここで傷やカスなどを取り除く「ちりより」作業をしますが、

あえて混合させたまま和紙にします。

  

原料を叩く

 

もっと楮(こうぞ)の繊維を細かくほぐすため叩きます。

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叩くことで繊維が解れて1本1本が細かくなっていきます。 

だんだん紙っぽくなってきましたね。

量にもよりますが、今回は約1時間ほど角材で叩き続けました。

久々にこの作業したので、水膨れが出来てしまいました(^^;)

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叩いてほぐした状態も何度か水に晒して洗っていきます。

そうすることでどんどん自然に白くなっていきますよ。

東京和紙は、化学漂白は一切使用していません。

自然の白色を楽しんで頂きたいですね。

 

ようやく和紙を漉(す)く

 

何日も経てようやく専用の道具で和紙を漉(す)いていきます。

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この道具は、葉書サイズが2枚同時に漉(す)くことができます。

仕事の合間にちょこちょこ漉(す)いていきました。

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横から見るとだいぶ厚く見えますが、ほとんど水です。

なので、意外に薄い和紙ができます。

今回は、ちょっと薄めにしました。

 

和紙を乾燥

 

厳密に言うとまだ「和紙」とは呼ばないのです。

水を含んだ和紙の状態は「湿紙(しとがみ)」と呼びます。

これを「和紙」にしていきますよ。

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 いつもは木に干して自然乾燥させていますが、今回は実験などもあって乾燥機を使用しました。

どんどんパリッと乾燥していきますよ。

 

年賀状の完成

 

ようやく葉書サイズの和紙が完成しました。

ここから年賀状へと仕上げていきます。

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写真は、型染したものとプリンターで印刷したものです。

和紙を薄くしたのは、プリンターに通しやすいためです。

型染めも裏移りしない程度の厚みにしています。

私は字は下手ですが、書を習っている方などは是非筆で字を書いて頂きたいです。

 

手すき和紙をプリンターで印刷する場合の注意

 

市販で販売している手すき和紙は印刷用に加工しているものとされていないものがあります。

プリンターのことを考えると加工されているものをお勧めします。

(表面が平滑性が高いもの)

何も加工をしていないと表面が毛羽立っていて、繊維がローラーに巻き付きやすいです。

これを「紙糞(しふん)」と呼びます。

この紙糞はどんどんたまるとローラーを詰まらせてしまいますので、ご注意ください。

また、手間ではありますが手差しで1枚ずつプリンターに通してください。

給紙トレーに入れても送りだされないことが多々多いです。

例えば、自分で漉いた和紙を印刷する際はプリンターに負担のない方法でお願いします。

 

最後に

 

年賀状に限らず自分で和紙を漉いてポストカードを作りたいという方にはワークショップを開催しています。

shop.thewashi.tokyo

上記で紹介した葉書サイズが2枚漉(す)ける道具で作ることができます。

実際にショップに出向いて和紙を作ることができない方に向けて、オンラインワークショップも開催しています。

shop.thewashi.tokyo

こちらは、専門の道具ではなく身近にあるキッチン道具などで和紙を作っていきます。

原料は本物の楮(こうぞ)の下準備したものをキットと一緒に送りますので、

家にいながら本格的な和紙が作れます。


おうちで本格的な手すき和紙を作ろう!

長いお休みの中で伝統工芸体験をしてみたいという方は是非ご検討くださいませ。

 

カラフルな水引と手すき和紙でお正月飾りを作ってみませんか。

こんにちは。

東京和紙の篠田です。

もうすぐ今年も終わりますね。

色々大変な年でしたが、来年は厳しい状況の中でも明るい未来になれることを願うばかりです。

クリスマスが終わればすぐにお正月がきます。

今回のお正月は、家で過ごされる方も多いと思います。

是非、水引と手漉き和紙でお正月飾りを作ってみませんか。

中身をご紹介します。

 


 

水引と和紙で作るお正月飾りとは?

 

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しめ縄風や飾りは水引で作って、紙垂(しで)は和紙で作ります。

写真はシンプルなデザインですが、お好みで飾りを増やしてゴージャスにするのもいいですね。 

1、しめ縄風

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水引を円形にしているものは、しめ縄をモチーフにしています。

沢山水引をよじりながらの飾りも多くみられますが、ちょっと変わったデザインにしました。

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いろんな色の水引を使って三つ編みまたは四つ編みにしてみました。

お正月飾りを作るだけでなく、様々な水引結びがマスターできるように考えました。

アクセサリーなど他に応用できる作り方を盛り込んでいます。

2、飾り

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おめでたい「松竹梅」は外せません。

どれも水引で結ぶことができます。

一瞬難しい結びのように思えますが、基本の「あわじ結び」ができればすぐに結べるようになります。

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色の指示はしていませんのでお好みで作ることができます。

水引も15色がキットの中に入っていますので、組み合わせは自由です。

緑1つとっても明るいものから深い色まで5色用意しましたので、いろんなバリエーションが作れますよ。

 

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ゴールド、シルバー、ブロンズ、シャンパンゴールドなどのキラキラ水引もセットしました。

写真のようにワンポイントとして1本組み合わせて結んでも素敵ですよ。

3、紙垂(しで)

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お正月だけでなく、お祝い事には欠かせないアイテムです。

紙垂(しで)の垂数は、様々なようですので写真の通りの作り方をご紹介しています。

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和紙は全て手作業で作った手すき和紙です。

化学薬品や化学漂白もしていない本来の原料(楮こうぞ)の持つ白さを活かした和紙です。

温かみのある白で和みますよ。

制作時間としては2時間弱位で作れると思います。

お仕事や学校がお休みの際に是非作ってみてはいかがですか。

キットご購入の方はこちらからどうぞ。

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キットの中身は、水引30本、和紙2枚、固定するためのワイヤー、それぞれの結びや組み合わせ方を紹介した説明書、吊るし用紐になります。

ただし、このキットの中には、梅結びは入っておりません。

水引結びをしたことがない方は、基本の結びである「あわじ結び」をマスターする必要があります。

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始めて結び人向けのキットの中に梅結びの結び方も紹介しています。

こちらから始められることをお勧めします。

キットはこちらから販売しています。

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各自ご用意頂く道具は、定規、筆記用具、ハサミ、接着剤または糊、ペンチ、洗濯ばさみの6点です。

身近な道具ばかりなので、すぐに作ることが可能ですよ。

簡単ですが、動画も作成しました!


水引と和紙で作るお正月飾りの紹介!

 

オンラインワークショップも随時開催

 

一人で作るのは心もとなかったり、作り方を順番に丁寧に教えて頂きたい方に向けてオンラインワークショップも開催しております。

ワークショップでは、梅結びも紹介します。

(あわじ結びもマスターすることができますよ)

年内だけでなく、お正月休みにも開催可能です。

希望する日程と時間を提示頂けましたら調整いたします。

参加を検討してみたい方はこちらからどうぞ。

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1回につき3名までとさせて頂きます。

是非、家にいる時間を有効的に楽しい時間にしてみませんか。

 

#手すき和紙 #手作り #水引結び #リース #オンラインワークショップ #ワークショップ

和紙で作るクリスマスリースオンラインワークショップ初開催!

こんにちは。

東京和紙の篠田です。

先日開催した「手すき和紙で作るクリスマスリースオンラインワークショップ」の模様をご紹介します。

過去、クリスマスに関するキットは販売してきましたが、今回は色々こだわって作ったキットです。

参加者の皆さんにも、楽しんで温かみのある手すき和紙の風合いを感じていただけるようにしました。

オンライン(Zoom)でどのように進めていったかをご紹介します。

 


 

準備

 

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作るオンラインワークショップは、ほとんど水引関連でしたが今回は和紙がメインになります。

あらかじめ切ったものなどを用意しておきました。

手元用のカメラに私自身を映すiPadと資料などを画面共有できるように本体のパソコンの3台をいつも使用しています。

また、説明がたくさんあるのでマイクもつけてスタートしました。

 

いよいよスタート

 

今回の和紙で作るクリスマスリースは、作業としてはとても簡単です。

1、葉っぱを切る

2、葉っぱ同士と実同士を組み合わせる

3、柳のリースにどんどん挿す

4、オーナメントをつける

この工程だけなのです。

ただし、葉っぱの切り方や柳リースに飾るにもコツがたくさんあるので、今回のワークショップでは完成を目指すのではなく、一つ一つの工程をしっかり把握して頂くことを大事にしていました。

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柊の葉をモチーフにしていますので、ギザギザに切っていきます。

多少形がいびつでもまったく問題ありません。

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オンラインであっても対面式と同じようにおしゃべりしながら進めると楽しいですね。

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キットの中身はある程度下準備が完了したものが入っています。

ワークショップで時間を短縮して作り方を紹介できるのも理由の一つです。

また、初めて作る人が迷わずにスムーズに作れるようにするためというのも大きな理由でもあります。

キットやワークショップでは、こちらではどんな方が参加や購入されるかは分かりません。

一人でもきちんと短時間(2時間位)で完成できるようにを心がけて制作しています。

ちなみに赤い実は柊の実をモチーフにしています。

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キットの中にはたくさん葉っぱを入れてありますが、全て作ってもよいですし、作らなくても構いません。

飾り方の基本はお伝えしますが、どう組み合わせてどう飾るかは作る方にお任せしています。

正解はありません。

作った方が満足する出来栄えが正解だと思っています。

ワークショップでは限られた時間内で用意できたもので組み合わせて、そこから作られる方の判断でもっと作るかこのままにするかを決めて頂きます。

意外に、柳のリースが見えていても可愛いですね。

参加者の方もとっても楽しんで作って頂けたご様子で開催してよかったと思います。

 

完成した和紙クリスマスリース

 

ワークショップが終わった後に完成したリースの写真を送ってくれました。

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とても明るく楽し気なイメージがする和紙クリスマスリースですね。

オーナメントの和紙サンタバッグの紐は長めにしております。

リースだけでなくツリーなどにも飾れるようにと想定していました。

しかし、リースでも少し長めにして組み合わせても可愛いですね。

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今回のキットには特別に和紙で作ったランプもセットしています。

リースとして壁に飾るだけでなくランプと共にテーブルに飾るのも素敵だと思ったからです。

こちらもまた雰囲気がありますね。

和紙の柔らかな風合いが心をほっこりさせます。

今年は、新型コロナウィルスの影響で家でクリスマスやお正月を過ごされる方も多いと思います。

少しでも家の中を明るく楽しく、穏やかな気分になれるようにこの和紙クリスマスリースなどを作って、空間を、時間を、楽しんで過ごして頂きたいと願っております。

残り僅かですがキットは販売しております。

shop.thewashi.tokyo

まだクリスマスまでに間に合いますので是非作ってみてはいかがでしょうか。

オンラインワークショップをご希望の方はこちら

日程はリクエスト頂いてから決定します。

 

そして、クリスマスが終わればお正月です。

水引と和紙で作るお正月飾りキットも販売中です。

shop.thewashi.tokyo

こちらも是非ご検討頂けましたら嬉しいです。

来年もオンラインワークショップ開催もキット販売も続々新作を登場予定です。

まだまだおうち時間が増える中、楽しんでいただけるアイテムになれればうれしいです。

 

#和紙ラボTOKYO #東京和紙 #クリスマスランプ #手すき和紙 #ペーパークラフト 

紙切り芸人さまから切り絵用手すき和紙のご注文頂きました!

こんにちは。

東京和紙の篠田です。

今回、珍しい注文を頂いたのでご紹介します。

いままでは、書道用、折り紙用、アート用の問い合わせやご注文は頂いていました。

(変わったところではソファー用という問い合わせもありましたが…)

紙切り用のご注文は今回初めてです。

どんな和紙がご要望なのかなどをご紹介します。

 


 

きっかけ

 

今年の9月頃、ショップ「和紙ラボTOKYO」にいらっしゃったのがきっかけでした。

(事前にHPをご覧頂いたそうです)

切り絵用の和紙を探しているとのことでした。

当方でも和紙ハロウィンランプで和紙を切り絵するので、柔らかな薄い和紙がご要望なのかと思いました。

(固い和紙だとカッターで切りにくいため)

しかし、違うようです。

なんと、この方紙切り芸人さんではさみで一筆書きのように形に切っていくためある程度厚みが必要とのことでした。

いくつかサンプルをお見せしたなかで、真っ白ではないチリ入り和紙が気に入られました。

チリ入り和紙とは?

本来、和紙は白くするために原料の木(うちは楮(こうぞ))の白皮しか使用しません。

皮は3層になっていて外側の茶色の鬼皮、中間の緑色のあま皮、一番内側にある白皮となっていて基本的には鬼皮、あま皮は使用されません。

ただ、アート用なのであえて使用しないあま皮などを入れて作ることもあります。

これが、チリ入り和紙です。

厚みもサンプルを渡して実際に切って頂き決定しました。

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東京和紙での切り絵

緑色の筋みたいなものがあま皮です。

細かいはさみさばきで切ったところもちぎれていませんね。

ここに厚みが関係するのだと実感しました。

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切り抜いた絵と切り離された和紙です。

どちらも絵になりますね。

これを1分以内位ではさみで切るのですからすごいです。

もちろん、下書きもありません。

どんな風にうちの和紙が使用されいているか実際に納品もかねて高座を拝見させて頂きました。

 

林家楽一さん

 

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林家楽一さん

この方がご注文頂いた紙切り芸人の林家楽一(はやしやらくいち)さんです。

林家楽一さんのHP

kamikiri.net

本番前に無理を言って撮影に協力してくれました(^^;)

当和紙の切り絵を持って頂いているのですが、へたらないですね。

今回、上野にある鈴木演芸場にお邪魔させて頂きました。

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うん十年前にイベント会社に勤めていましたが、寄席に伺うのは今回が初めてです。

とても趣ある建物でした。

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今回出演される楽一さんのポスターです。

お姿が今と違いますね…(^^;)

残念ながら建物内や高座の撮影は禁止されているため、文章で説明させて頂きます。

切った切り絵をスクリーンに映して影絵のようにお客様に披露していく流れでした。

最初、切り絵の見本として当和紙で芸者さんをはさみで切っていらっしゃいました。

なんと、お囃子(三味線と太鼓)は生演奏でその中で次々にリズムよく形を切っていかれてました。

2番目からはお客様のリクエストに合わせて即興で切っていかれます。

クリスマス、歌舞伎の暫と続きます。

やはりここでリクエストしなければと思い、思いきって手をあげました。

そして、今話題のあれをお願いしました。

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もうお分かりですね。

鬼滅の刃」です。

「アマビエ」と迷ったのですが、お囃子が生演奏だったので話題になっているものを選びました。

奏者の方たちもちょっと戸惑っている雰囲気はありましたが…。

こちらは、うちではない本来使用されている紙です。

やはり趣がちがいますね。

1高座に対しての当和紙の使用は少ないですが、長く続けて切っていただけることになりました。

 

今後も各方面、各分野で東京和紙をご利用頂き、話題になってくれると嬉しいです。

また、珍しい用途でも使用はこちら側も挑戦し甲斐があります。

問い合わせだけでも試作は必ず作るようにしています。

似た案件の問い合わせにもすぐに対応できるためです。

どんどん和紙の魅力、奥深さを研究する「和紙ラボTOKYO」を目指しています。

他の案件での問い合わせも大歓迎です。

是非、お気軽にお問合せくださいませ。

 追伸:

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楽一さんの高座は、上野や浅草だけでなく池袋でも出演されているそうです。

新型コロナウィルス感染防止として、マスク装着、手指消毒して、静かにご観覧くださいませ。

 

この冬は、おうちで本格的な手すき和紙を作ってみませんか。

こんにちは。

東京和紙の篠田です。

和紙ラボTOKYOにて商品販売だけでなく、ワークショップも開催しております。

ただ、新型コロナウィルス感染拡大や地方にいらっしゃるなどの理由で実際にいらして参加することが厳しい方もいらっしゃいます。

東京和紙の活動や手すき和紙の魅力や水引の色鮮やかさなどをいろんな人に伝えたいと思い、オンラインワークショップやキットの販売にも力を入れています。

今回は、お正月も近いのでおうちで本格的な手すき和紙が作れるように企画しました。

年賀状や書初めなどで楽しんで頂けると嬉しいです。


 

和紙ラボTOKYOでの和紙作りワークショップ

 

ショップでのワークショップでは、東京産の原料(楮こうぞ)やトロロアオイを中心に専用の道具をつかって昔から伝わる伝統的な作り方で手すき和紙が作れます。

詳細はこちらをご覧ください。

これをこのままおうちで再現するにはいろんな問題がでてきます。

専用の道具を使うこともできないですし、和紙を漉(す)くには近くでレクチャーもお見せしないとなかなか細かい部分はキットや画面越しでは伝わりにくいです。

どうやったら本格的な手すき和紙が作れるか実験をしながらチャレンジしてみました。

 

おうちで本格的な手すき和紙を作るには

1、原料の問題

東京和紙では、楮(こうぞ)という木の皮を使って一から手作業で準備をしていきます。

化学薬品も化学漂白も一切使用せずに植物本来の白さを皆さんに楽しんで頂いています。

ここはどうしても譲れません。

ヒントは、海外で行う和紙作りワークショップでした。

海外でも日本同様の原料を使用したかったので、下準備したものを真空パックにして現地に入っていました。

これを今回も応用することにしました。

そして、和紙を漉(す)くには、トロロアオイの粘り気が必要です。

これはどれくらいの粘り気を出せばよいかなど職人でないとなかなか見極めができません。

また、保存方法にも注意が必要になるので、代用となるものを考えなければなりません。

そこで思いついたのが、オクラでした。

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トロロアオイの別名は、「花オクラ」と言います。

オクラの親戚でもあるんですね。(実はとても似ています)

粘り気は弱いのですが、使わない手はないし身近に手に入りやすいので採用しました。

2、道具

おそらく何回も和紙を作る人は多くないと考えました。

そこで、身近にあるもので出来ないだろうかを色々試してみてざるとネットを代用することにしました。

(これは良いサイズを見つけたのでキットの中に入れました)

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3、漉(す)き方

ショップで開催しているワークショップでやる方法は難しいので、別の漉(す)き方にして、本格的な手すき和紙が作れる様にしました。

(流し込み漉きというやり方です)

他にも干し方なども手軽にできる方法に変えて、より親近感を感じられる作り方を構築しました。

 

キット完成

 

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身近な道具といってもある程度一式揃えておいたほうが作業しやすいと考えて、和紙作りに必要なものを揃えてあります。

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作り方の資料だけでなく、前準備や保存方法なども説明しておりますのでまた和紙作りしたい方がすぐにできるようになっています。

キット販売はこちらから購入できます。

是非、学校やお仕事がお休みの間に作ってみて頂けると嬉しいです。

 

オンラインワークショップも開催

 

やっぱりやり方を教えて頂きながら作りたい方にはオンラインワークショップも開催しています。

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お互いの手元を見せながら説明をしていきますので、その点はリアルなワークショップと同じと考えています。

是非、親子で一緒に手すき和紙をおうちで作ってみませんか。

ご希望の方はこちらからどうぞ

 また、短い動画ですがどうやって手すき和紙を作るかまとめました。


おうちで本格的な手すき和紙を作ろう!

キットもワークショップも単純に和紙を漉(す)くだけで完結するものではありません。

下準備も併せて体験できるようなプログラムにして本格的な作業工程をほんの少しかもしれませんが、体験頂くことを大事にしました。

おうちで作ってみて、もっと興味を持って頂いてショップでの和紙作り体験にもご参加頂けると嬉しいです。

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道具が変われば、形が違う和紙も作れますよ。

あなただけのオリジナルの手すき和紙を一緒に作りませんか。

 

 

 

#和紙 #手すき和紙 #和紙ラボTOKYO #東京和紙 #ワークショップ #ポストカード #ギフトカード

こだわって作った手すき和紙のクリスマスリースキット

こんにちは。

東京和紙の篠田です。

先日、手すき和紙で作るクリスマスリースのキット及びオンラインワークショップをご紹介しました。

今回のキットは、こだわって時間をかけて作りました。

どこにこだわったのかをご紹介したいと思います。


 

和紙クリスマスリースキット

完成したキットで完成させるのがこの和紙クリスマスリースです。

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深緑色に金色銀色の葉っぱをアクセントにして赤い実と赤系のサンタバッグがそれぞれの色合いを引き立てています。

キットご購入したいかたはこちらへ

shop.thewashi.tokyo

ここに完成するまで色々考えました。

 

リースのサイズと重さ

このキットで完成するサイズは、およそ17cm×17cmです。

他で販売されているクリスマスリースよりは小さくなるように設計しました。

なぜならどこの場所でも飾れるように考えた次第です。

玄関だけでなく、部屋の扉や柱、セットの和紙ミニランプとのコンビで展示することも考えて邪魔にならないサイズにしたいと思いました。

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重さも重くて落ちてしまわないように軽量を目指しました。

 

リースの葉っぱや実の色

一番こだわったのが色合いでした。

和紙の温かみや趣きを感じられる様にしたかったのです。

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京産の原料を中心に手作業で制作した手すき和紙です。

植物本来のオフホワイトな色合いをベースに考えていきました。

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染料は、布用染料を使用しています。(グリーン購入法適合染料を使用)

クリスマスなので、緑系を2色とゴールドを染めました。

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柊の葉っぱにカットしてみるとこんな感じです。

華やかさも演出できるように緑色といってもバリエーションある色合いを考えました。

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1回目の試作が完成!

華やかさは少し感じられますが、和紙っぽくないなと率直に感じてしまいました。

洋紙でできた折り紙で作ったようにも見えてしまい、私の中ではこの色でのクリスマスリースは失敗と判断。

もっと、和紙の温もりを感じられてほっこりするようなクリスマスリースを目指そうと考えました。

緑色をもっとダークな深緑色に変えて、

2色の緑色にしないで、緑は1色で金色と銀色を混ぜてよりゴージャスな感じにしてみることにしました。

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深緑色もあえて濃淡をつけて少しグラデーションをつけるように染めていきます。

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中心の緑色は金色と銀色の葉の裏側に使用することにしました。

金色も銀色も無地和紙に直接染めるのではなく、一旦緑色を塗ってからその上に色を乗せています。

そうすることで統一感をだせるようにしました。

赤い実の部分も1回目よりも濃いめの赤色に変更したものです。

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ひいらぎの葉っぱに切ってみました。

落ち着きのある色合いになりましたね。

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組み合わせていくとこんな感じです。

光の具合で色合いは変わるかもしれませんが、納得のいく色合いになりました。

ただ、これではちょっと寂しい印象がしましたので、オーナメントをつけることにしました。

やはりオーナメントも和紙で作りたいと思ったのですが、このリースのイメージを損なわずにどう飾るか…。

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そこで同じ和紙でも違う種類の千代和紙を使用することにしました。

模様が入っているのでよりリースが華やかになりますし、ワンポイントとしての役割も大きくでています。

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オーナメントもあまりたくさんつけてしまうとゴチャゴチャしてしまうので、

バランスの良い3個にしました。

赤い実も3つとサンタバッグも3つで交互に飾れば偏りがないと思った次第です。

こうやって試作品が完成して、作り方資料を作成してキットが完成しました。

概要ですが、こんな風にリースを作っていきます。


手すき和紙でクリスマスリースを作ってみよう!

キットだけでなく、オンラインでのワークショップも開催して細かい点をアドバイスできるようにしています。
tabica.jp

全て手作業で作っているため、数量限定とさせて頂いています。

ぜひ、こだわって作った手すき和紙のクリスマスリースを作ってみませんか。

 

#washi #japanesepaper #japan #beautiful #handmade #handcraft #gift #cute #和紙 #手仕事 #tokyo #東京 #オンラインワークショップ #chiyogami #paperart #paper #papercraft #日本 #traditional #workshop #plants #楮 #papermulberry #和紙ラボTOKYO #植物 #abelmoschus #トロロアオイ #origami #tokyowashi #東京和紙 #クリスマスリース #キット #ハンドメイド

久しぶりに手すき和紙作りワークショップを開催しました!

こんにちは。

東京和紙の篠田です。

久しぶりに対面式の和紙作りワークショップを開催しました。

コロナ禍で大変な状況ではありますが、やるべき対策をしっかりして当日に臨みました。

ショップには和紙の原料となる楮(こうぞ)を育てています。

実際に使用される植物を見ながら、伝統的な作り方で手すき和紙を作れるのは東京の23区内では当ショップだけと自負しております(^^;)

当日どんな風にワークショップを開催したかご紹介します。

 


 

ワークショップ準備

 

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本来は、ショップと工房の間に衝立を設置しているのですが、当日ははずして密にならないようにしました。

また、道具の使いまわしがないように参加者それぞれに準備しました。

和紙作り体験は基本的に手が汚れたり濡れたりします。

万が一を考え、参加者には手袋を装着して体験頂きます。

私自身も手袋を装着します。

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手指消毒、検温、マスク装着をお願いしてます。

狭いスペースではありますが、密にならないように段取りをシミュレーションして進めました。

 

ワークショップスタート

ついに参加者が来店してワークショップがスタートしました。

今回の皆さんは、初めて和紙を作られる方が多いので一つずつ丁寧にご紹介していきます。

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<原料紹介>

まずは、和紙の原料でもある楮(こうぞ)とトロロアオイをご紹介。

だいぶ葉が枯れて寂しい状態になっていますが、実際に触れて頂きどんな植物かを見て頂きました。

<表皮とり>

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和紙は、楮(こうぞ)の木の皮から作られています。

そのなかでも白い皮部分しか使用しないため、ヘラを使って剥いていきます。

まずは、見本を見せてみなさんが実際に作業する進め方です。

本来ならば、私がサポートして一緒に剥いたりしていたのですが密になるので、それぞれの判断にゆだねるしかありません。

(口頭での説明はしております)

<ちりとり>

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皮を剥いた白皮は3時間位煮るとかんぴょうのように柔らかくなります。

白い皮といっても傷や表皮のゴミがついています。

それを取り除く作業になります。

本来は、水の中に入れながらするのですが、スペースの問題ゆえそのままで体験頂きました。

みなさん、やりにくそうだったので次回は改善したいと思います。

<打解(だかい)>

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綺麗にした白皮の繊維を細かくほぐすために叩きます。

力いっぱい叩くのではなく、リズミカルにまんべんなく全体を叩くのがコツです。

ワークショップでは、木槌で少量を叩きますが、実際私たちはもっと多い量を太い角片で長時間叩きます。

和紙メーカーでは機械で叩くところもありますよ。

<いよいよ和紙すき>

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和紙作りで一番醍醐味がある漉(す)き作業になります。

ワークショップでは、葉書サイズを漉(す)いていきます。

ここも本来は、私も一緒に道具を持って漉(す)いていくのですが、密になるため最初に見本を見せて隣でエアーで持ち方や手の角度などを説明して進めていきます。

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こちらの方は、ちょっと表面が波打ってしまいましたがそれはまた風合いのある特別な和紙になるので記念になると思います。(^^;)

<飾り付け>

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飾り用としてさまざまな色和紙や千代和紙をご用意しています。

もちろん、ご持参頂いたものを飾るのも可能です。

ただし、押し花などは油分があるため水をはじいてはがれてしまう恐れがありますので、あらかじめご了承頂いています。

今回は、なんと石を削って飾りたいということで私自身も初めての試みになります。

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今回の+αはカードサイズになります。

道具が限られているので代表の方が漉(す)いて、順番に飾り付けをしていきます。

こちらでは、色染めした和紙を上からお描きできるようにしました。

色がついた和紙と白い和紙の組み合わせも可愛いですよ。

<圧搾+乾燥>

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水分を搾る圧搾と機械による乾燥は、当方で対応します。

乾燥機を使用すると約15分で乾きますので、お持ち帰り頂けるのがうれしいですね。

これでワークショップは終了となります。

<ブレイクタイム>

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和紙が乾燥するまで、和紙茶を飲んでブレイクタイム。

今回の方は、この和紙茶が気になってお申込みいただいたそうです。

中身に関しては、参加頂いてからのお楽しみに!

アンケートにもご協力頂いております。

<アンケートの一部はこちら>

参加者さまの許可を頂いて掲載させて頂いています。

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表皮とりの工程が楽しかったご様子ですね。

みなさんの感想は今後のワークショップへ役立てていきたいと思います。

<いよいよ完成>

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素敵な和紙が揃いました!
心配していた石や押し花は綺麗に仕上がったようです。

それぞれに味わい深い葉書やカードになりました。

今後も違う和紙作りに体験頂けると嬉しいです。

いよいよ12月に突入し、お正月に向けての準備も入ろうという方もいらっしゃると思います。

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